Spean Candle 小野 勇希さん
– カンボジアに来たきっかけは何ですか?
去年の5月から3ヶ月間タイとカンボジアを自転車で旅してみて、その時に貧しい人を雇用したいと思ったのがきっかけですね。何かしら人生のチャンスとなるものを提供したかったんです。
自分は今までやりたい事をやってきて、自分はもうじゅうぶん満たされたので次は誰かのために何かしたかったんですよね。なので自分の儲けはまったく考えてなくて、本当にたった一人でもカンボジア人にチャンスを与えたいだけなんです。
そういう意味ではカンボジアじゃなくても良かったんですけど、カンボジアが一番VISAが取りやすかったのと、プノンペンの街を見た時に首都なのに外資に侵食されてしまっていて首都がこれで良いのか?と思ってカンボジアでやる事に決めました。
– なぜお土産屋なんですか?
最初は民宿のようなものをやりたかったんですが、予算に合う物件が見つけられなくて、それでその宿の一角でやろうと思っていたお土産屋一本に絞りました。
さらにそのお土産屋もナイトマーケットでやろうとしていたんですが、こちらもまたなかなか上手く話が進められずに結局屋台で知り合いの店の軒先を借りながら始める事になりました。
– どういった物を売っているんですか?
主にはオリジナルデザインのTシャツやタオルですが、カンボジアに無い物も売りたいと思い、竹細工のキャンドルやドライフラワーのキャンドルも売り始めました。
店の名前がスピエンキャンドルというんですが、スピエンは橋という意味で架け橋となり将来を明るく照らしたいという思いで付けました。なのでその名前にちなんだ商品という事でキャンドルがメインの商品です。
– 1年限定だそうですが?
そうなんです。1年後には家業を継がなければいけないので1年限定です。それまでに何とかカンボジア人が一人でも食べていけるくらいの売上までもっていき、1年後にはカンボジア人にそのまま無料で譲渡するつもりです。
売上の一部を孤児院に寄付する予定なんですが、さらにその孤児院の子を雇って最終的にその子に譲渡して、その子の人生の飛躍のきっかけになれば本望ですね。
– オープンして2週間ほど経ちまずが、手応えはありますか?
正直思っていたよりも渋いです。そもそも立ち止まるどころかそこに存在してないかのように見向きもしてもらえません。
なので、今はあれこれと試行錯誤しています。もっとこうした方が良いかも、ああした方が良いかもと試行錯誤するのは好きなんですが、本当はこういう事もカンボジア人に教えていきたいんですが、今はまだ雇える余裕がないので悔しいです。
– 最悪の場合、このまま上手くいかなければ、カンボジア人に何もしてあげられずに帰国の日を迎えてしまう可能性もあるんじゃないですか?
そうなんです。商品の作り方から問題解決能力まで身に付けてもらいたいので、そう考えるとそもそも1年で足りるのか?という中で、日々時間だけが過ぎていく事に焦りは感じてます。
先ほど「今まで好きなようにやってきた」と言いましたが、日本でバーをやったり民宿をやったりしても全部そこそこ上手くやれましたので、今回も根拠のない自信だけはあります。
– カンボジアはそんなに甘くないという声も聞こえてきそうですが。
決してカンボジアを甘くみている訳ではありません。ただ大成功して大金持ちになりたいと言っている訳ではなく、最低限カンボジア人一人が食べていけるだけの売り上げをあげるくらいなら、そんなに難しい事ではないかなと思っていいます。
知り合いや友人、家族の理解と協力のおかげでこうしてカンボジアに来れてますので、その気持ちに報いるためにも頑張っていきます。