//日々の感謝を忘れずに

日々の感謝を忘れずに

 弊社もこの12月号で1周年を迎えることができ、やっとカンボジアの地に足が着いたように感じます。読者・広告主の方々には未熟なスタートから暖かく応援していただき、誠にありがとうございました。これからも単なる情報紙に留まらず、興味を引いて役に立つ新聞となるよう日々精進していきます。
 そんな折り、これから目指す良いお手本とも言えるような記事を目にしたので、ご紹介したいと思う。東京に本店を置く有名老舗和菓子屋が、本社建て替えの期間に休業する事になった。その挨拶文を見た人達から『感銘を受けた』『商人の鑑だ』等、賞賛の言葉が相次いでいる。ここに本文を抜粋する。
 〔この店でお客様をお迎えした51年のあいだ、多くの素晴らしい出逢いに恵まれました。3日と空けずにご来店くださり、きまってお汁粉を召し上がる男性のお客様。毎朝お母さまとご一緒に小形羊羹を1つお買い求めくださっていた、当時幼稚園生でいらしたお客様。ある時おひとりでお見えになったので、心配になった店員が外へ出てみると、お母さまがこっそり隠れて見守っていらっしゃったということもありました。車椅子でご来店くださっていた、100歳になられる女性のお客様。入院生活に入られてからはご家族が生菓子や干菓子をお買い求めくださいました。お食事ができなくなられてからも、弊社の干菓子をくずしながらお召し上がりになったと伺っています。このようにお客様とともに過ごさせて頂いた時間をここに書き尽くすことは到底できませんが、おひとりおひとりのお姿は、強く私たちの心に焼き付いています。〕(以上、虎屋公式ホームページより抜粋)
 海外にいると、このような言葉が心により染みる。同時に、日頃仕事に追われてつい疎かになる日々の感謝や相手に対しての思いやりを再認識し、自分もまたスタッフに対して忘れずに伝えていかなければと反省する。改めて、仕事の意味や出会いの大切さを、1人でも多くのカンボジアの人達に理解してもらえるように務めたい。
 先日、日本人旅行者の方に声を掛けられた。ベトナムから来たが、一定期間内の再入国ができない事を知らずに航空券を購入し、戻りのプノンペン空港でその旨を知らされたのだと言う。航空券は無効となって途方にくれたが、その後誰一人としてフォローしてくれない。タクシーにも多額の料金を請求され、挙げ句の果てに何とか手に入れたバスチケットは乗り場もわからず不親切という状況だった。始めの原因はベトナムにあったとしても、その後カンボジア国内でもこのような事が続けば、この国を嫌いになってしまう。誰かが少し気遣うだけで、彼のような不幸な体験も防げたのではないだろうか。
 何かがうまくいかない時に、「海外で仕事をしているから」という逃げ道を自分の中でどうしても作ってしまいがちだが、本来 仕事とはどこに行ってもぶれないスタンスであるはずだ。それをもう一度考えさせられる貴重な教訓として、先に引用した言葉を忘れずに心に留めていたい。