//出会いの宝庫 カンボジア

出会いの宝庫 カンボジア

 おかげさまで今月号で創刊三周年を迎える事ができ、皆さまには心から感謝申し上げます。
 これまでカンボジアで仕事をしているといろいろな国の人を関わる機会が多かった。カンボジアにいるからといってカンボジア人や日本人だけと仕事をする訳ではない。
 先日、レバノン人を紹介され、少しだが話をする機会があった。これもカンボジアにいるからこそなのだろう。このレバノン人に限らず日本にいては恐らく知り合う事すらない国の人と知り合う事ができる。これまでもアメリカ人、カナダ人、ネパール人、イギリス人、インド人、韓国人、ドイツ人などなど数えだせば切りがないくらいたくさんの国の人と出会えた。
 振り返ると小さい頃に母の職場で働いていたアメリカ人によく遊んでもらっていた事もあり、その縁で中学2年の時に初めて海外に行った。その翌年にはブラジルにも行った。社会に出てからも海外出張や旅行などでいろんな国に行ったが、その中でもカンボジアは決して住みやすい快適な環境とは言いづらい。それなのにもう4年も住んで生活している。
 きっかけがあったとはいえ、なぜ4年も住んでいられたのか考えると一番はやはり出会った人たちに恵まれていた事だろう。日本にいた頃よりも知り合いの知り合い、そのまた知り合いとどんどん輪が広がっていき、その距離の縮まり方が早い。
 昔からそうだが、仕事内容にこだわりがなくどんな仕事でも構わないが、誰とやるのかという点はとても重要視していた。これは仕事だけではない。本紙でも度々言っている事だが、食事をするにしても酒を飲みに行くにしても誰とというのはとても重要だと思っている。嫌いな人と行けばどんなに高級な物を食べても美味しくはないだろうし、逆に気心知れた好きな人たちとであれば、どんな物を食べても美味しく感じる。その物自体の味が変わる訳ではないが、楽しい時に時間が経つのが早く感じるのと同じ感じだろう。そしてそれは国籍や立場は関係なく、屈託なく話ができる時間は人生の中でとても有意義な時間であり、そういう時間が多いほど豊かな人生だと思っている私にとって、利便性は決して良いとは言えなくても、そういう人たちとたくさん出会えるカンボジアは私にとって住み心地の良い国と言えるのかもしれない。
 他の国でも同じように思うのかもしれないが、同じ人とは出会えない。この先いつまでカンボジアにいるのか分からない。特に帰国の予定がある訳ではないが、このまま生涯カンボジアで過ごすと思っている訳でもないが、これから新たに出会うであろう人たちがまだまだたくさんいると想像するだけでわくわくする。
 もっといろんな人と出会って、いろんな時間を共有し、いろんな経験をしていきたい。4年目は出会った人たちからも同じように思ってもらえるよう邁進していきたい。