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日本人旅行者ひったくり被害で重症

 今年1月、日本人親子の旅行者がひったくりの被害にあい、かばんをひったくられた母親は股関節を骨折する重症を負い、楽しい親子での旅行が一変苦い思い出となった。
 この事件により被害者の女性は外傷のみならず、精神的にもダメージを受けており、その精神状態と記事の性質を勘案し、速報性よりも被害者の気持ちが落ち着いてから掲載するべきと判断し、今月の掲載となりました。

 事件は1月某日の午後9時頃、BKK2の路地裏で起きた。日本人親子がホテルへ帰るため、モニボン通りから一本裏道へ入ったところを息子が前を母親が後ろを前後に並んで歩いていたところ、前からカンボジア人の男らがバイク(スクータータイプ)に2人乗りで走ってきて、後ろにいた母親とすれ違いざまに肩から掛けていたカバンをひったくろうとし、そのはずみで母親は転倒してしまい、股関節を骨折してしまった。
 男らは母親が転倒している隙に投げ出されたカバンを奪い去ってしまった。息子が物音に気付き振り返った時にはもう母親は転倒した後で、母親の尋常ではない痛がり方に、奪われたカバンよりも母親の状態を優先し、近くにいたトゥクトゥクドライバーの協力で救急車を呼び、病院へ搬送された。
 母親は本来2週間から3週間の入院が必要なほどの重症だったが、本人が日本での治療を希望したため1週間で退院したが、とても歩ける状態ではなかったため、車椅子を購入するはめになった。
 地元警察へ被害届を出したものの、ひったくられたカバンが返ってくることはないだろうし、被害者女性はいくら傷が癒えようともう二度とカンボジアには行きたくないと思うかもしれない。それを考えるとカンボジア在住者としてはとても残念でならない。
 息子の方は東南アジアも含め海外旅行には慣れており、こういった被害にあうのは初めてのことだという。

上の写真は事件発生時と同時間帯の現場である。街灯があり決して暗い道ではないものの人通りは少ない。

 本紙でも再三お伝えしてきた事だが、今回の事件のようにいくら海外旅行に慣れた人でもいつどこで被害にあうのか分からず、今までに危ない目にあったことがないというのは何の安心材料にもならない。そしていくら注意していても襲われてしまえばそれを防ぐには限界があるため、未然に襲われないようにする事が重要である。極端に言えば夜に出歩かない方が良いが、今回のように夕食などを済ませ9時台に帰宅する事はざらにあり、夜間に外出を控えるとしても限度があるため、たとえ近距離であろうとタクシー等を利用することをおすすめする。
 今回取材に協力してくれた息子さんは「派手な格好はせずに持ち物も最小限して出かけた方が良い」と読者に向けてメッセージを頂いた。
 今後このような同様の被害を増やさないためにも、自身の心に留め置くだけでなく、ぜひとも知人や同僚など周りの人たちに共有していただきたい。
 また、被害にあわれた女性が一日も早く心身共に回復する事をお祈り申し上げます。

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