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カンボジアの急速な経済成長とIT化の波にのまれる業界

 昨年のTRCの統計によれば、カンボジアの携帯電話SIMカード所有率は、日本の0.97を上回り、1人あたり1.28と一人一台以上となっている。そこかしこ場所を問わずスマホを楽しむ姿をよく目にする。
 以前の当サイトでも取り上げたが、カンボジア人はゲーム好き。そうなるとやはりスマホよりも高画質、多機能、高難易度なゲームも楽しみたい。そんな気持ちからPC版のネットゲームも盛んである。これまではPCを所有している者は少なかったため、街中至るところにインターネットカフェが出来た。しかし昨今、個人のPC所有率が上がり、ネット回線料も安くなり、カフェなどのほとんどの店では無料Wi-Fiが使えるため、わざわざネットカフェに行く必要がなくなったことで多くがインターネットカフェが閉店した。

 それでもなんとか続けているインターネットカフェの現在のメインの顧客層は高校生である。そのため料金は高校生でも払えるくらい安く設定されている。エアコン無しの店であれば1時間あたり1,200リエルから1,500リエル、エアコンありの店では2,000から2,500リエル程度である。利用方法は店に入って利用時間を伝え、料金を支払ってから空いている席に座れば即利用可能だ。時間が来れば店員から声をかけてもらえる。

 カンボジアのインターネットカフェは日本のインターネットカフェのように身分証の提示も必要なくサービスはいたってシンプル。ドリンクバーも無ければコミックも無く、多少の仕切りはあるが個室は無い。
日本でもインターネットカフェは減少傾向にあり、日本複合カフェ協会加盟ベースで2010年から100件(10%)減少している。衰退していく中でも、女性客や若い層の獲得を目指し、より清潔で安全な個人空間を提供するサービス転換、あらゆる質の向上に努めている。一方カンボジアではシステムと同く、多少の不便は気にせず安さのみのウリである。流行らないならサービスの転換や向上ではなく即撤退である。
 店頭もどこか暗くアングラな雰囲気が漂い、日本の昭和時代のゲームセンター彷彿とさせる。時代の流れの中で淘汰されたという点も似ているのかもしれない。そんな昭和のゲームセンターもほとんどが閉店し、生き残っている店のほとんどは今ではイメージを刷新し、UFOキャッチャーやプリクラなど女性層の獲得を狙いつつサービスを多様化させながら今日まで生き延びている。
 カンボジアのインターカフェ業界もただ衰退の流れに身を任せるのではなく、新たに生まれ変わる日が来る事を期待したい。

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