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これこそスポーツマンシップ!野球を通じて広がる輪

 12月某日、元ヤクルトスワローズのプロ野球選手 角富士夫さんの命を受け、実弟の角洋二さんがToul Svay Prey小学校にTシャツとボールを寄付し、野球教室を開催し、児童たちに野球の楽しさを伝えた。
 角富士夫さんと洋二さんはこれまでも全国各地で野球教室を行ってきており、野球の発展ひいては青少年育成に貢献してきた。

 今回カンボジアで野球教室を開いたきっかけは実は意外な事であった。弟の洋二さんが経営する会社にカンボジア人を技能実習生として受け入れた。それが洋二さんの会社にとってはとても助かったらしく、次は自分がカンボジアに対して恩返しをしようと思った事が今回の野球教室開催に繋がったのである。
 本来兄の富士夫さんがカンボジアに来る予定であったが、残念ながら都合がつかずやむなく弟の洋二さんが兄の代理としてカンボジアに渡航。兄が来れなかった代わりにと富士夫さんから預かってきたTシャツとボールを子供たちにプレゼントした。
 この活動は富士夫さん、洋二さんの「一人でも多くの子に野球の楽しさを伝えたい」という思いで、スポンサーなどは一切つけず全て私費で行われており、その気持ちはしっかり子供たちに伝わってるだろう。
 洋二さんは今回の活動を振り返り「ボールを追いかけ、取って、投げる子ども達の姿は世界共通で輝かしい」と述べ、一昔前の日本では父親と息子がキャッチボールを通して親子のコミュニケーションを図る姿は定番の親子の光景であったが、カンボジアの子供たちに野球を通していろんな事を教えていきたいと意気込みを語った。

 確かに野球のみならずスポーツのもたらす効果やスポーツを通して学ぶ事はたくさんある。壁にぶつかった時の諦めない精神力や努力が報われた時の喜び、仲間と協力したり助け合ったりなど学校では教えてくれない大切な事を学ぶ事ができ、それは子供たちの将来に多大な影響をもたらすであろう。
 日本では前述したような親子の光景を目にする事は少なくなったが、いずれこの子供たちが大人になり、その子供と一緒にキャッチボールをする日が来るのかもしれない。
 その時にカンボジアはより素晴らしい国になっているだろう。今回は残念ながらカンボジアに来れなかった角富士夫さんも次回以降自らカンボジアに足を運ぶ予定とのこと。またこれまで培った人脈を活かし元プロ野球選手に声をかけ、カンボジアの同行もあるかもしれないとの事で、今後の活動にも注目していきたい。

角富士夫野球教室
コーチ 角 富士夫
福岡県出身の元プロ野球選手。
1975年から1994年までヤクルトスワローズで活躍。引退後は同チームでコーチを歴任。現在はフロントの編成部門とヤクルト一筋でチームを支えている。

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