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「日本人が住みやすい国、暮らしやすい街」へ

– 日本人学校開校の認可、おめでとうございます。在留邦人の長年の希望であった日本人学校がようやく開校されますね。

日本人学校の設立に関しては、実は5年前にも話が上がっていたんです。しかし当時は、日系企業の数も50社ほど、邦人も1,000 名くらいしか居ませんでしたので、なかなか進展しませんでした。現在は日系企業数約190 社、在留邦人も2,000 名を超えています。今後の日系企業の進出や、カンボジアでの立ち位置を考えると、どうしても日本人学校の設立は必須でした。

– 今回の設立認可にはどれくらいの期間を要したのですか?

今回の日本人学校の認可に向けては、2013 年6月にカンボジア日本人商工会とカンボジア日本人会の総会で、プノンペン日本人学校設立準備委員会を立ち上げることになりました。それから約1年半を要しましたが、これは短い方だと思います。

– 短い方なんですか?

プノンペン補習授業校の校舎があったからだと思います。これも大きな要因でした。この時期に日本人学校が開校になることで日系企業の方が家族でカンボジアに来られても、安心してお子様に日本の教育を受けさせることができる。この点は今後のカンボジアにとっても、日系企業にとっても大きなことだと思います。

– 今回カンボジアで初めての日本人学校の認可ということで、サポートをする日本人会としても相当なご苦労があったのではないですか?

日本人学校の設立にあたって、認可をするのは文部科学省(以下、文科省)なんですが、その認可の可否は政府主幹の諮問審査会(以下、審査会)が審査をします。2014 年12 月11 日に審査会の専門家の方々と文科省の方とが来られて、学校設立についてのプレゼンテーションを行いました。審査会からは非常に厳しい質問もありましたが、文科省職員の方2名が非常に粘り強く説明をしていただきました。当時は、認可を得られないのではないか、認可まで時間がかかるのではないかと心配しましたが、文科省の強力なバックアップのお蔭で即日に認可を頂いたのです。

– 即日に認可が出たのですか。

そうなんです。文科省の方が盾になり、こちらの味方に付いてくれたことで、即日認可を頂いた次第です。今回の開校にあたり日本人教員が7名も赴任されるんです。通常、海外で新しく設立する日本人学校では日本人教員は5名ほどなんですね。そういう意味では文科省の期待も非常に大きいと伺えます。

– 海外に対する国の施策が変わって来ていますね。例えば、2 年内に東京八王子市の病院がカンボジアに移転する計画や今回の日本人学校の開校といった、海外のインフラ整備が非常に活発になっています。これは日系企業に対してカンボジアへの誘致にとても大きな影響を与えそうですね。

 

今年は日系企業がこれからカンボジアに進出することにネックになっていた家族や生活の問題点の改善に、大きく動き出した年といっていいと思います。生活の面では、やはり6月のイオンモールのオープンです。日本人がカンボジアで生活する上で、衣・食の面が劇的に変化しました。そして来年の日本人学校の開校、2年内の総合病院の移転と、カンボジアのイメージがどんどん良く変わって行く年になりました。そういう意味では、我々カンボジアに居る側も日本人会を中心として受け皿を充実させて、これからカンボジアに来る人が快適に安心して生活できる情報の発信や親睦の場を提供して行かなければと思います。

– 言葉が通じない、習慣も違うこのカンボジアで暮らすのに、日本人会の存在はとても心強いです。

やはり「顔を知っている」というのは一番安心できることだと思うんです。自分では知らないことや出来ないことでも、誰かに相談できるところが必要と思いますし、これからもっと日本人が増えることで更に“組織”が充実する。我々日本人に良い波が来ていると思います。そして、「カンボジア=地雷」、「カンボジア=内戦」とか、悪いイメージを払拭する良いチャンスだと思います。

– そういう点では、私たちプレスもカンボジアの生活に密着した情報を提供して行かなくてはいけませんね。例えば日本人が危険な目に遭わないような注意を喚起する情報とか、ローカルでも安全な食の情報も提供して行けたらと考えています。

ぜひカンボジアのイメージを上げて頂いて、「進化している途上国の首都」、「暮らしやすいカンボジア」の認識が付くように大いに期待します。

―初の日本人学校への期待と充実した教育スタイル

– カンボジア日本人会が運営する“プノンペン補修授業校”から日本人学校が開校することによって、カンボジアの教育はどの様に変わると思いますか?

プノンペン補修授業校は土曜日の午前中のみの授業で、基本的には帰国時の日本適応を目的としています。現在は生徒総数80名以上が在籍し、特にここ数年で幼稚部が30名を超えて来ています。小学部が約40名、中学部が約10名程です。近年若い世代の親御さんが増えているということでしょう。補習授業校は、当面は日本人学校と並行して運営します。

 一方、日本人学校は文科省が定めるカリキュラムに沿った日本の学校と同じ授業を行います。授業で教わる勉学だけでなく、日本人としてのアイデンティティーや日本の良さを確認できる場になります。そういう中で国際社会の第一線で活躍できる人材を育成することを理念に掲げています。教員も日本人教員が7名、現地採用の教員が4~5名と考えていますので、新しく開校する学校としては教員10名以上の規模は非常に充実していると思います。これだけの教員が居れば各組担任制でよりきめ細かなフォローができると思いますので、安心して学校に送り出して頂けると思いますし、日本からの転入、または転出も安心して任せて頂けると思います。

– 正式な開校の時期と現在の応募数はどんな状況ですか?

現在開校時期を調整中ですが、カンボジア正月明けの4月中旬を予定しています。現在の応募状況は、今は日本人会会員への事前案内の状態ですので約40名程です。最終的には50名を超えて行くと思います。正式な一次募集が年明け1月ですので、様子をみられているといった状況でしょうか。

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