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より良い「就職」を支える

労働職業訓練省 国家雇用機関 General Director ホン・チュンさん
JICA Senior Volunteer 西村 寛さん

– まず労働職業訓練省 国家雇用機構 (NEA) とは、 どのような機関でしょうか。

NEAは2009年に設立され、2010年3月から業務を開始した新しい機関です。求人者側と求職者側を結びつけるジョブマッチングや人材育成機関へキャリアガイダンスを提供し、労働市場に関する情報システムを開発する事で労働の需要と供給にかかる予測を立て、今後必要とされる業種や技術能力の分析をしています。日本のハローワークに近いで しょう。求職者は1 階のジョブセンターで求人情報を調べたり、 ソフトスキルセミナーを受けたり、求人企業は仕事に必要な技術や能力、コミュニケーション能力やチームワークへの適性等に基づいて人材を調べる事ができます。将来の進むべき道を模索する高校生に対しては、ガイダンスを受ける事で大学進学か就職かを判断できるサービスを提供しています。

2013 年から、JICAが体制整備をサポートしています。 私は昨年からNEAに派遣され、現在は日系企業との連携強化に努めています。

– 雇用情報はどのように発信していますか。

求人登録 ・ 検索は窓口だけでなくウェブサイトからでも簡単にできますので、お気軽にご利用いただけます。プノンペンの他に8つの支所、例えばスバイリエン、タケオ、シェムリアップ等の州に設けていて、地方での労働需給にも応えています。また経済特区や大学、人材育成機関等を定期的に訪問して職や人材をご案内しています。

毎年11月にナショナルキャリアフェアを主催します。 昨年度は2万人以上が来場しました。

– NEA自体の広報はどのように行っていますか。

独自のテレビ番組を制作し、国内の主要なテレビ放送局で放送しています。まだ日系企業へはNEAの名前が浸透していませんが、情報誌上での告知、企業訪問等も行っています。今年のナショナルキャリアフェアは、更に多くの日系企業にご参加いただいて企業アピールの場として活用されればと考え、日本人商工会へもご案内しました。

– カンボジアの労働市場において、 日系企業への 興味は高まっていますか。

日系企業へのイメージが未だ漠然としていて、はっきりと希望する人は少ないです。もちろん日本語学習者ですと日系企業に就職したいという意識がありますが、一般的には業種と給与で選ぶ事が多いです。

– ここ数年で民間の人材派遣サービスが増えましたが、NEAの強みは何ですか。

まず、国の機関ですので施設使用料・紹介料は一切かかりません。ジョブセンターでは求人情報の閲覧 ・検索だけでなく、企業説明会の開催、履歴書の書き方や面接の受け方等のサポートもしていますし、面接室もあります。

登録人数が非常に多くローカルコミュニティとの連携が強いので、工場立ち上げのような数百人単位の人材探しに向いています。民間では1件ずつ回って情報を収集していますが、当機関はネットワークを駆使しています。今後は高いスキルを持った求人者の登録を増やし、他社とも共存共栄していきたいと考えています。 また登録された学生には文系が多いですが、今後は理系にも広げ理系大学や職業訓練校と日系企業とのマッチングを実現したいです。NEAの情報収集力を活かし、日系企業への情報発信を強めて、求人企業も求職者も満足のいく良質な雇用を提供できるような機関を目指します。

現在のカンボジアでは、職探しも人材探しも関係者の知人からの紹介に頼りがちで、離職率も高いのが問題です。国の機関からのサービスが普及し、就職までのステップが変化する事で就職への意識も向上する事を願います。

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