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郷に入っては郷に従え

 昨今のカンボジアでの日本人に元気がないように感じる。良く言えば安定してきたのかもしれないが、大きな話題を呼ぶようなニュースが少ないように感じる。この仕事を始めてから常々カンボジアにおける日本の存在感を上げていきたいと思っているが、どうしても中国等の影響力が強すぎて悔しい思いをする事が多い。
 先月のチャイニーズニューイヤーもカンボジアの祝日ではないものの、慣例的に休む人や会社もあり、その影響力のすさまじさを感じさせられる。
 先日も取材に行った際の現場はほぼカンボジア人。それは当り前でいつもの事であるが、その日は珍しく私以外にもう一人日本人がいた。それが何とも心強かった。日本人が二人いたからという訳ではないかもしれないが、現場では英語でもちゃんとアナウンスしてくれた。
 よくあるケースは質疑応答の時にはちゃんと通訳がいるが、カンボジア人が質問しカンボジア人が答える場合、それが通訳されない事がある。さらに質疑応答後にぶら下がりや囲み取材をする事が多く、その時は通訳がいない事がほとんどなので、どんな質問をしてどんな答えだったのか分からない。基本的には常に録音しているので後で翻訳された原稿を読んで理解する事は出来るが、現場にいちいち通訳を連れて行ったりしないので、掘り下げた質問が出来ない時もある。こういった取材のほとんどはどうしても自分の理解度が低いために記事にしづらくなってしまいボツにしてしまう事が多い。
 クメール語を学ばなければと最も痛感する時である。もうカンボジア生活も5年目だが、未だに英語や日本語で話してくれるカンボジア人に甘えてしまい、クメール語では日常会話すらままならない。カンボジア人からは4年も住んでいるのに?と言われる事が多々ある。
 私よりも後にカンボジアにきて、私よりもクメール語が出来る人が多くいるのでそれも当然といえば当然で、自分がいかに怠慢かを思い知らされる。
 冒頭でも語った通りカンボジアで日本の影響力を高めたいと思っているなら、当然もっとカンボジア人コミュニティに入り込んでいくべきである。その為にもクメール語は必要不可欠である。仕事をしながらクメール語を勉強している人はたくさんいるので、忙しいは理由にならない。自分の想いの強さが試される時である。

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