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戦後復興とこれから

 日本が終戦を迎え、高度経済成長を経てバブル、そしてバブル崩壊からの長期低迷、そして今日に至る。戦後からおよそ70年のことである。一方カンボジアはというと1990年の内戦終結後、今日までのおよそ30年。次々とビルが建設され平均所得も右肩上がりで、今がさながらバブルといったところだろうか。日本のバブル期も戦後からおよそ30年という事を考えるとカンボジアの成長ぶりも順当と言えるだろう。
 しかし今のカンボジアとバブル期の日本を比べるとカンボジアに成長にはいささか物足りなさを感じる。理由はさまざまあるだろうが、歴史を振り返れば見えてくる部分もあるのではないだろうか。
 例えば日本は敗戦したとはいえ、相手はアメリカをはじめとした連合国軍であり、戦後復興に向けて力を合わせることが出来た。しかしカンボジアは内戦である。カンボジア人がカンボジア人を虐殺していたのだから、いくら内戦が終わったとはいえそう簡単に猜疑心を拭い去ることは出来ない。また、戦時中の教育においても日本は「欲しがりません、勝つまでは」や「一億玉砕」(本土決戦にあたっては国民すべて玉砕の覚悟で臨め)といったスローガンが掲げられ、お国の為にと一致団結してきたため、復興においてもその教育が活かされた面があったと思う。しかしカンボジアはご存知の通り、医者や教師などの知識人が真っ先に殺され、その他の人々は強制労働させられ、それを子供たちが監視するという異様な状態だったため、戦後の復興も思うようにいかなくて当然である。
 逆に言えばそれだけ劣悪な環境からよくここまで発展してこれたものだと恐れ入る。
 しかしここからが重要だ。日本はバブルが崩壊し、長期低迷期が訪れたが、カンボジアは同じ轍を踏まずに成長してほしい。他国に比べカンボジアと日本は似た境遇にあると思う。そんな似た者同士の私たちだからこそ、協力しあえることがあるだろうし、先を行く日本だからこそ教えられることがあるだろう。
 日本人は戦争を忘れないように教育されてきた。事実私も祖母から戦時中の話を聞かされた。しかしカンボジアは内戦時代をアンタッチャブルなものとする傾向がある。しかしさらに一皮むけるためには時には荒療治が必要なこともあるだろう。
 同じ過ちを繰り返さない。過去の過ちから学ぶ。ことが必要であり、そのためにも歴史と向き合うべきではないだろうか。
 どちらが正しいという事はないのかもしれないが、日本という恰好の見本をぜひ利用してほしい。そしていずれは良いライバル関係になれればと思う。

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