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目に見えない問題の改善

 益々開発のスピードが加速するカンボジアだが、どう見てもインフラ整備が追い付いて行っていない現状に、日本政府はどんな支援をしているのかJICAに現状や問題点、取り組みなどを伺いに行き、改めて目に見えない問題に対しての改善が必要に迫られていることを実感した。
 例えば、上下水道に於いては上水は浄水場から水道水が出る時点では、飲料水としては飲めるレベルのものだが、配管自体に問題が有るため実際家庭の蛇口から出る時点では、お腹を悪くする可能性がある。排水に関しては、JICAの支援でプノンペン都に於いては雨水との合流式と言う形で排水処理がなされている。下水処理に関しては大いに問題ありで、一応環境省で規定を設けてはいるが、守られていないのが現状である。カンボジアで下水処理を行っているのは、シェムリアップ、バッタンバン等地方都市のみで、プノンペンの於いては下水処理場はないとのこと。
 最近、商業施設やコンドミニアム、新興住宅地の建設が活発に行われているが、建築時に施設内で浄化設備を施すよう求めてはいるが、そのルールや罰則などが明確ではなく、業者のモラルに左右される現状である。しかし、浄化槽を付けても簡易式なもので結局排水溝と合流して流すので、処理の能力は定かではない。
 都市計画もフランスが昔作ったものの、発展スピードが早すぎインフラ整備が追いつかず、今改めて政府の元、新しい都市計画作りに着手している。殆ど平地の場所で沼地が点在していた頃はある意味溜め池が有ったが、開発により埋め立て地が増え、水が溜まる所も無くなり道路に溢れ出す事も原因の一つではないだろうか?
 最近ボンケンコンに出来た店舗は、店前の駐車スペースと道路の段差(路肩の排水溝)をなんとアスファルトで平らにしてしまい、排水溝も潰してしまった。本来有り得ない話で呆れて見ていたら、次の日に全てアスファルトを剥がし始めた。きっと、国交省なり政府の役人が見て是正させたのだろう。発注する店側も受注する施工業者も頭の中を疑いたくなる!その発想に対して、言っても通じなければ重い罰金を科せば良いのにと思ってしまう。世界的にも大きな企業で、企業としてモラルを欠いたと気づいたとしたらまだ救いは有るのだが、個人的にはその店に足を向ける気にはならない。
 相変わらず日本からゴミ処理整備に対して視察に来られるが、カンボジアを綺麗に安全にと成人君主のような台詞を言う方は、話の後半はいくら儲かる?政府は何をしてくれる?と、初めの意気込みはどこに?と言いたくなる場合が殆ど。ビジネスで来る比較的大きな企業はゴミ処理場を案内しても、足下のぬかるみが気になったり臭いのきつさに現場責任者の話しもろくに聞いていなかったりと、こちらが責任者に申し訳なく思うほどである。どちらもまず出来ないだろうと、こちら側は肩を落とすことが多い。先月、日本企業や人事院が大挙して来たが、事前の調査も勉強もなく、カンボジア政府は何をしてくれる?責任は?保証は?など、なんともチープな事を言っていたようで、これもまた、ダメシリーズの一つとがっかりする話を聞いた。インフラ整備から脱線したが、少なからずハードだけではなく、より良くしていこうとするソフトの部分の欠落が大きく影響しているのだと思う。上記に書いた人、企業、国、全てが未熟といわざるを得ない。 日本人としても恥ずかしい思いである。

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