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日系企業の相次ぐカンボジア進出 カンボジアの未来を見据えたスケールの準備を

 近年、マスコミや企業紙がカンボジア経済の著しい躍進を伝え、ASEAN諸国統合に於いて益々加速するであろうこの国に魅力を感じて進出する企業は増加する一方だ。この一年、そんな企業を見ていると、自分達の体力やこの国の実態も判らずに走り始めるところも多いと感じる。
そもそも、どこに着地点を置くかもわからずに来て、今がチャンスとばかりに起業し、明日の利益の皮算用をすることなど無謀な話だ。
 企業別に戦略の尺度は違い、3年後の着地に向けて長い定規で図っているところも、明日からの収益を目指す短い定規で見ているところもあるはずなのに、その部分はおざなりにされているようだ。大きな企業が進出したから儲かるだろう、日本人が増えるから儲かるだろうなどと思い、夢を膨らまして来る企業も少なからずあるが、気がつけば自分の定規では長さが足りない事に愕然とするという光景に何度か遭遇した。元々、『海外』というマジックで僅か50cmしかない定規が1mに見えてしまっているのだから仕方がないが、それにしても足りなさすぎではないだろうか?
勿論、大手企業が3年先のカンボジアを見据えて軌道修正をしながら先を目指すのは並々ならぬ努力が必要だと思うが、その余裕さえないところは毎日が死活問題である。
そんな中、苦しい選択の末に日本での定規を捨て、カンボジアの定規で勝負に出る事で活路を見出したところも出始めている。

 海外に進出する際、どうしても見栄えを気にして箱に拘ったり形に拘ったりとしがちだ。しかし、企業が出張所を開設し、まずその国の環境・法律・習慣など十分ノウハウを蓄積した後に事業所を発足させるように、小さい箱や飲食店なら屋台のようなもので始めるのも一考ではないかと思う。出資金も少なく、行き交う人の表情もわかる距離で仕事をすれば、味だけではなくその国を身近に切り取って見る事ができる。決して後からはできない経験を積む事で、ノウハウを持ち得ないところは大きな失敗に繋がらないと私は思う。
 ASEAN経済共同体は、EUと違って経済不介入だ。各国が独自の発展を遂げられるこの環境に於いて、カンボジアを魅力がある国、ビジネスチャンスが多い国にしておかないと経済回廊の『一通過点』になってしまう恐れも出てくる。それを避けるためにも、カンボジアにおいて我々が決して失敗しないようにしていく事が、小さいながらも発展に繋がっていくだろう。

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