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日本の国際化と海外在住者

 日本に帰国すると必ず感じるのが、カンボジアとの物価の差である。コンビニでたばこと缶コーヒーを買っただけで500円オーバー。よくよく考えれば分かり切った事ではあるが、普段同じ物を買って2.5ドルくらいなので、無意識にレジに並んでいると金額を言われた時に「はっ」とさせられることがある。そこまでの驚きではないにしても他にも私がカンボジアにいる間に消費税が8%になった事で電車の切符、自動販売機など「あれ?こんな値段だったっけ?」と思う事が多々あった。
 しかし今回帰国した際にそれよりも驚かされた事があった。それはあらゆるところに英語や中国語、韓国語を目にするようになった事である。以前からまったく無かった訳ではないが、昨年11月に帰国した際はあまり感じなかったが、たった半年でここまで変わるのかと驚かされるくらい増えていた。さらに今回日本滞在期間中の半分はアメリカ人と一緒にいたため、余計にそう感じる事が多かったのかもしれないが、何気ない居酒屋でも英語のメニューが用意され流暢に英語を話す店員がいた事にはもっと驚かされた。
 他にも細かいところで言えば、高速道路のサービスエリアにはベトナム、タイ、台湾などの料理が屋台で売られていたり、温泉はタトゥーOKのところも増えていた。これらは当然2020年の東京オリンピックに向けて、外国人客を取り込もうと各店が対策を講じているのだろう。
 しかしもうあと一歩が足りないという印象である。例えば英語のメニューにしても料理名こそ英語になっていても、ただ料理名と価格が並んでいるだけなので、それを食べた事がない人にとってはそれがどんな料理なのか分からない。多少小さくても写真を添えてあげるだけでより分かりやすいだろうし、温泉も浴場はタトゥーOKなのに、風呂上がりの休憩所では上着を着てタトゥーを隠さなければならなかった。温泉で温まっている中、上着を着させるのは酷ではないだろうか。それならはせめてタトゥーが隠れるような浴衣を貸し出すなどすれば良いと思うのだが。
 もちろん全ての店がこのような対応ではないだろうし、たまたま私が訪れたところがそうだっただけなのかもしれないが、メニューの件は実際私自身もカンボジアで料理名だけで勝手にイメージして注文して、想像していたものとまったく違うものが出てきた経験があるので、日本を訪れる外国人も私と同じように感じた人もいるだろう。
 しかしオリンピックまでまだ3年ある事を考えれば、今はまだ外国人受け入れのトレーニング段階なのかもしれない。今までは外国人を意識する事すらなかったところが、オリンピックをきっかけにまずはメニューからでも外国人が来やすいようにと取り組み始め、それがたった半年間の変化に驚かされたくらいなのだから、3年後には私の心配など余所にこれらがさらに改善され、おもてなしの国としてより良くなっていくだろう。
 そして少しでも多くの日本を訪れた外国人が日本の事を好きになってくれればこんな嬉しい事はない。だからこそ普段海外で生活している我々が、せっかく日本の事を好きになった外国人を幻滅させてしまわないようにしたい。

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