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クオリティは成功の鍵となり得るか

 先日日本からいらっしゃったカンボジア進出を検討されているお客様をアテンドした際に、その方が日本クオリティで勝負という事を再三言っていたが、私の中ではどうもしっくり来ない部分がある。当然クオリティは低いよりも高いに越した事はないだろうが、その分費用が高ければ受け入れられづらいのではないだろうか。また、そのクオリティは求められているのだろうか。
 その方が日本クオリティで勝負と言われていた根拠の一つとして、バイクや車の日本車のシェア率の高さを例に出していた。しかし家電に目を向けると韓国製を目にする事が多い。以前にパナソニックのエンジニアの方とお話をする機会があった時に伺ったが、クオリティは負けていないとおっしゃられていた。しかし実際の販売には結びついていない。クオリティだけでは売れない理由がそこにはあるのだろう。
 また別の例として、iphoneを購入する際に偽物が出回っているから信頼できる店で買うよう勧められる事がある。それはカンボジア人の間でも常識として認知されているようだ。しかし一方でヴィトンやグッチなどのコピー商品は普通に持っていたりするので、何でも本物志向という訳でもないのだろう。
 このようにカンボジアで受け入れられた商品と受け入れられなかった商品があり、そこには必ず理由があるはずである。それは戦略的な事かもしれないし、タイミングが良かっただけなのかもしれない。いずれにしてもただ単純に日本クオリティのものを持ってくれば売れると思うのは危険ではないだろうか。
 偉そうな事を言っても明確な答えを持っている訳ではないし、実際に自分で何かの商品を売った経験がある訳でもないので個人的な主観ではあるが、カンボジアに限らずどこの国でもハイクオリティだからとそのまま持ち込んでも売れはしないだろうと思っている。
 その方にも個人的な見解と付け加えた上でこれらの事をお伝えしたが、決してカンボジア進出を止めさせたいのではなく、むしろ進出してほしいし成功してもらいたいと思っている。だからこそ今回に限らず私は進出を検討されている方々とお話する機会があった時は、デメリットや難点を中心に話をする。そして決して私の意見が全てではないので、出来るだけ多くの人の話を聞くことを勧めている。その上でしっかりと計画を持って進出していただきたい。そして実際に進出した際は出来る限りの協力をさせて頂きたいと思っている。
 今後もカンボジア進出はどんどんしてもらいたいし、進出したからには成功してもらいたいので、カンボジア在住の先輩方もそういう方々とお話される機会があった際は、どうか良い面だけでなく悪い面もしっかり伝えてあげてほしい。
 最後に先月号で女性とのサッカーについて少し触れたが、実はその後カンボジアで実際に女性とサッカーをする機会があった。
結論から申し上げると完全に私の偏見であった。テクニカル面でもフィジカル面でも何ら遜色なく、むしろ翻弄されるくらいだった。
詳しく聞けばその女性はイギリス人で、イギリスにいた頃に社会人リーグでサッカーをやっていたらしく、自分の考えの浅はかさをとても反省させられた。

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