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カンボジア経済と消費者

 カンボジアにイオンモールが出来た事はカンボジアの人々の生活を変えただけでなく、ビジネス面においても少なからず意識せざるを得ない存在となった。
 イオンモールの後を追うように外資系ショッピングモールが出店を控えているが、カンボジアは何か一つ流行るとその模倣サービスが次々と現れ供給過多になり、それ自体が衰退してしまう。
そうこうしながらカンボジアの新たな文化が育まれていくのだろうが、その過程でカンボジア人はリテラシーも育んでいってほしい。今は「多くの人が言っているから」とか「フェイスブックに載っていたから」など根拠の乏しい情報でも誰もそれを疑わずにさらに拡散されていく。
 人口が増え、経済が発展し、所得も増えていけば、カンボジア人をターゲットとした詐欺が増えてくるかもしれない。個人情報に対しての意識が低い今、気付かぬところでもう既に個人情報が収集されているのかもしれない。
 いつの時代もどこの国でも悪い事をする者は存在してしまう。今はだまひったくりや窃盗などの犯罪が多いが、いずれ犯罪の種類も巧妙化してくるだろう。そうなった時に我が身を守れるのは自分自身でしかない。
 ただ、安心安全を優先する一方で、日本のように規制で縛られ住みずらい国にはなってほしくない。食中毒や何か事件がおこると、それを禁止したり規制対象になったり、商品や食材に異物が紛れ込んでいるとそれらが回収され、製造販売が休止になる。当然食中毒や異物混入がおきてしまう管理体制は早急に見直し改善されるべきであるが、SNSで拡散する必要はあったのだろうか。そこまでしなければ企業側は真摯な対応をしないのだろうか。国が法律で規制する必要があるのだろうか。
 確かに一個人と企業とでは明らかに力の差があるため、ある程度の消費者保護は必要だと思うが、それが行き過ぎてしまうとかえって消費者自身の不便さを招いたり、生き辛い世の中にしてしまっているのではないだろうか。
 その点カンボジアにおいては、我が身を守るのは自分自身でしかないというまさに自己責任の中で生きていかなければならないし、そうでなければカンボジアでは生きていけないと言っても過言ではない。
それ故にもう少し真摯な対応をした方が良いのでは?と思う事もあるが、自分には今のカンボジアの方が性に合っている。
 だいぶ話が脱線したが、消費者として良し悪しを見極められるようになれば、おのずと粗悪な商品や企業は淘汰されていく。このまま安さが第一で企業が必要以上の価格競争にさらされていけば、無理なコスト削減を強いられ、不正や事故を招きかねない。また消費者としても適切なクレームは企業を育てる事に繋がると思うが、日本のような悪質なクレーマーが増えてくれば双方に良い事は何もない。
 カンボジア人の消費者としての成長が今後のカンボジア経済の発展の鍵を握っており、これからの成長を期待したい。

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