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より安心できるカンボジアに。我々邦人が心することとは?

この一年を振り返り、私自身がここプノンペンに着任して一年が過ぎようとしているが、このPhnom Penh Press Neoの創刊準備をし始め、経済、政治、小さいものはスーパーの野菜の価格まで今まで漠然と過ごしていたものが、聞くもの見るものそのスピードと矛盾、期待が頭の中を所狭しと駆け巡る日々を送るようになった。
昨日まで良かったものが、今日からダメに成ることなど日常茶飯事だが、その理由を聞いて驚いたり、その事実を飲み込むのに時間を要したり、期待通りの発展をしている傍らで見落とされたり、作られたものであったりと、その中身を見ていくと改めてこの国の不透明感を実感する日々を送っている。例えば、10月の法改正で今まで法人設立する際に、エージェントに渡す書類もそう難しいものではなく、スムーズ に出来たものが代表者が役所に出向き、その場で指紋や写真登録をしなければ成らなくなったり、同一住所で登記出来たものが出来なくなったり、そのことは透明化され、画一化されて良いことではあるが、役所に出向いても全ての説明はおろか、その手順すら教えてもらえなかったり、右往左往する場面が多く見受けられた。勿論いろんな問題点や改善点を含みながらやっているので仕方がない部分も有るが、来年のASEAN統合に向けて足並みを揃える準備が追いついていない現状も有るのではないかと、推測するのは私だけなのだろうか?

一方、成長著しいカンボジアにおいて行政の問題もあるが、私たち日本人にもその責任を感じられずにはいられない場面が多々あり、それも最近の改正に繋がるのかと思う節もある。ニュースでも流れたが、カンボジアを舞台にした不動産詐欺などもその一例だ。キチンとした資格もなく現地エージェントを使い、さも自分の物件のように立ち振る舞って販売したり、法人設立後のライセンスやパテントの取得など、どこ吹く風のようにビジネスをしていたり、 無責任極まりない日本人の話をよく聞く事がある。もしこういった事も法改正の原因の一つで有れば、私達も襟を正し、これから進出予定の企業は、各団体を訪ね正確な情報と適切なアドバイスを受けることをお勧めする。また最近の日本からの企業参入は、少し独りよがりや認識不足の感があり、日本の環境で考えたものをそのままカンボジアという枠に押し込めようとしたり、コストや環境だけで考えたり。そんなことは先駆者達が大変な苦労をして積み上げ、築き上げたものには決して太刀打ち出来ないことを知って貰いたい。
これからカンボジア。何故カンボジア?
この問いに大手企業はその目的を即座に答えられるだろうが、分からないのが一部の日本で行き詰まったから、海外なら儲かりそうと漠然とした気持ちや海外進出セミナーのほんの一部の情報だけで、淡い期待感と、未知なる挑戦に酔いしれて進出を決める人達が後を絶たない。現実をキチンと知らしめることも、我々プレスとしての役割であろうと改めて思う。 例えば、先日テレビでここプノンペンに日本から病院丸ごとを移転する特集を放映していた。様々な視点からその問題点や、利点、また近隣諸国に対しての影響など、興味深い番組であった。全てといって良いほどに、医療に対しての制度や病院自体の造り、医療費などその違いを乗り越えて進出する事の苦慮を浮き彫りにし、また重要性を感じながらカンボジア全体に見える問題点とダブらせながら、見ると大変興味深いものであった。 (2014年12月23日現在)2週間前に政府諮問機関から、いよいよ【日本人学校】の認可が下り、学校の規模では在カン日本人に対し職員の数も多く、補習授業校のノウハウや子供の安全対策なども生かされ、これからの日本企業にとっては間違いなくインフラ整備が整い、よりカンボジア進出に拍車が掛かる事は間違い無さそうだ。そういった背景の中、他国企業は既に自国のみならず、カンボジア全体を見据えてビジネスを展開する動きが活発化している。私たちメディアに対しても数多くの取材依頼が入り、また呼ばれるメディアも偏ったものではなく、例えばカンボジアの企業であっても、日本、中国、韓国、インドなど国を越え職種を越えて取材が入り、これからの在り方として、人、国、言語はよりボーダレスと成っていく事も、肌で感じられるようになってきた。この国に入ってくる方々は、カンボジアを見据え、近隣諸国の情報を知り、日本より劣って居るところを見るのではなく、可能性を含め進んでいるところを見ることが重要だと思う。そこで弊紙も新しい取り組みとして、言語別のものではなく、一冊に多様な言語を取り込み、弊紙を手に取って読んでいただく読者それぞれが同じ情報を共有することが出来ないか、考察と準備を進めているところである。

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