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「虎穴に入らずんば虎子を得ず」 本質を見ずに流されていないか

現場に無い言葉は信じない。
 先日見た東北震災の番組内の言葉で、とても印象深く、説得力のあるものとして脳裏に焼き付いた。勿論震災を受け、未だに見えない放射能や風評被害に苦しむ方々の重い言葉であると同時に、情報発信における全ての事に通じるとも言える。今の世の中はインターネットやSNS等のツールで世界中の事がわかるが、真実がどこまで伝わっているかは疑問な点も多い。未だに、映画の中で中国と日本がごっちゃになっていたり、「カンボジアって地雷は大丈夫?」とほんの一部の情報が全てのごとく認識されていたりする。

 ここカンボジアにおいてもこの言葉が当てはまる。例えば、日本でセミナーを開いて起業や投資を促す事があるが、その情報の半分は足し算のみで、リスクや環境・インフラ整備等の引き算はほぼない場合が多い。
そのために現地に来てからそのギャップのせいで早期撤退や事業縮小を余儀なくされ、夢半ばで諦める人を数多見てきた。たちの悪い輩は、詐欺紛い?いや詐欺を自覚して投資を促す者も多い! 「カンボジア人の現状や勤勉さを見て、何とかして自分達がより良い生活・労働を与えたいと切に思った」と恥ずかしげもなく人に解きながら、実はただ安い労働力や物価が目当ての大バカ者もよく見るし、それを聞いて一緒に感動し騙される人達も後を絶たない。飲食店も、日本人が増えたから日本食を出せば当たるとか、日本で美味しいとされるものを出せば高くても食べるだろうと現地の勉強もせず、コンサルタントの言葉を鵜呑みにして出店するケースもある。まさしく現場に無い言葉に踊らされ、泣きを見るのだ。
 まだ発展半ばのこの国の人達は大きな夢より今や直近の事が重要で、絵に描いた餅など欲しがらない。不幸な出来事があったから将来を描けないのだと言う人もいる。否定はできないが、それだけ堅実だとも取れる。常に現場に住み、その彼らに学ぶ点もあるのではないか! 言葉を変えるなら、やりたい事とできる事の違いをしっかりと考え、行動する事。できるかどうかは自分で確かめるのが大切だ。

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